川連漆器のこと 製造工程

川連漆器 ができるまで。-製造工程のご紹介-

川連漆器 の製造工程

国指定 伝統的工芸品「 川連漆器 」がどの様にしてできるのか、その製造工程をご紹介します。

川連漆器 は、天然素材から作られた安心な器です。

漆器と一口に言っても、現在は、様々な漆器が販売されています。
プラスチックに漆を塗ったもの。
天然木に化学塗料を塗ったもの。
樹脂と木粉を混ぜた素地に漆を塗ったもの。
天然木に天然漆を塗ったもの。
など様々な器が漆器と呼ばれています。

その中でも 川連漆器 は、昔ながらの製法を守り、天然木に天然漆を塗って作られています。
天然素材から作られた器ですので、どなた様にも安心してお使いいただけます。

川連漆器 の製造工程

川連漆器 の製造工程


木取り

山から切り出してきた原木を節、割れ、痛みのある部分を除き、製造する器のおおよその大きさにカットします。

荒挽き

轆轤で木地を回転させ、カンナを当ておおよその形に削り出します。
おおよその形まで削り出すことで、木地が乾燥しやすくします。

燻煙乾燥

おおよその形に削り出した木地を、1ヶ月かけて煙で燻しながら燻煙乾燥します。
燻煙乾燥することで、木材の狂いや歪みを軽減することができます。
また、木質を強くし、防腐や防虫の効果もあります。

仕上げ挽き

再び轆轤で回転させ、カンナを使って削り、形を整えます。
使用する刃物は、器の形に合わせて、全て木地師、自らが作っています。

木固め

木地に生漆を塗り、染み込ませ、丈夫な下地を作ります。

錆付け

生漆と砥の粉を混ぜ合わせたもの(錆漆)を刷毛やヘラで塗ります。

錆砥ぎ

錆付けをした器物を、轆轤を使い砥いで、表面を滑らかに整えていきます。
錆付け、錆砥ぎは、2回繰り返します。

中塗り

下地を施した器物に、漆を刷毛で塗ります。
外側と、内側を分けて、片側を塗り、一晩ほど乾かしてから、もう片側を塗ります。

傷見

細かい穴や、凹み部分に、ヘラを使い錆漆を埋め、綺麗に整えます。

中砥ぎ

塗った漆、傷見した錆漆を砥いで、平らに滑らかに砥ぎあげます。

小中塗り

中砥ぎした器物にもう一度、刷毛で漆を塗ります。

小中砥ぎ

仕上げ塗り前の最後の研磨で、仕上げを左右する作業になります。
表面が滑らかになるように、細かく綺麗に砥ぎあげていきます。

場合によっては、もう一度、中塗り、中砥ぎを繰り返し、綺麗な器物に仕上げていきます。

上塗り

漆器製造の最終工程となります。
多くの工程を重ねてきた器物に、漆を刷毛で塗り上げます。
川連漆器 の特徴の一つに、花塗り(塗り立て)という技法があるのですが、塗った後に磨いたりせず、漆を塗りそのまま仕上げる技法になります。
そのため、埃一つ付かないように、細心の注意を払って塗る必要があります。
花塗りは高度な技法で、熟練の塗師の手によって仕上げられます。

職人の手から生み出される国指定 伝統的工芸品「 川連漆器 」。

様々な工程を経て、 川連漆器 のお椀やお盆、お重などは作られています。
漆を何度も何度も塗り重ねることにより、漆器特有の滑らかな塗り肌は作り出されます。
工業製品とは違い、全ての工程を職人の手による手仕事で行なっています。
工業製品のように全てを寸分の違いも無く作り出すことはできませんが、
人の手により丹精込めて作り上げられた漆器は、工業製品にはない温もりが感じられるのではないでしょうか?

創業1872年(明治5年)、 川連漆器 を製造する佐藤善六漆器店

佐藤善六漆器店は、1872年(明治5年)創業の 国指定 伝統的工芸品「 川連漆器 」を製造する漆器店です。
伝統的な製法を守り、秋田県産の木材を原料に、天然漆を幾重にも塗り重ねた器を作り続けています。
産地の中でも、それぞれ得意分野があり、佐藤善六漆器店では、主に丸物と言われる、お椀や、お盆などの丸い物を得意としています。
漆器というとすぐ傷をつけてしまうのではないか等と敬遠されがちですが、 川連漆器 は、普段使いの器として昔から使用されてきました。
高級料亭で使用されるような絢爛豪華な漆器とは違い、毎日の食事に使用していただくような、普段使いの器になります。
肩肘を張らずに、まずは毎日の食事に欠かせない、お椀から取り入れてみてはいかがでしょうか?
ご覧いただいたように、天然素材から作られておりますので、小さなお子様から、お年寄りまでどなた様にも安心してご使用いただけます。
綺麗に塗り上げられた真塗りのお椀以外にも、木目を活かした摺漆のお椀もございます。
木目が見えるように漆を摺り込むように仕上げておりますので、傷などもあまり気にせずご使用いただけるのではないでしょうか?
漆器について気になることがございましたら、お気軽にお問い合わせください。

佐藤善六漆器店 公式サイト
https://zenroku.jp

佐藤善六漆器店 お椀のご紹介
https://zenroku.jp/products_wan.html

秋田県漆器工業協同組合
http://www.kawatsura.or.jp